人がいなくなった深夜の自室。
ベッドの上にねっ転がって、私はぬいぐるみの後ろに隠したそれを取り出す。
我ながら可愛らしくラッピングしたと思っている。
我ながら最高の出来栄えだとも思っている。
シンプルかつスタンダードで、実に「それっぽい」と。
他のチョコと何ら変わりのない、ハート型のチョコ。
それがこのなかに入っている。
正直面と向かって問う人に渡すことができない。恥ずかしいから。
寧ろ面と向かって言える人たちがすごいと思う。
だから、私は卑怯な作戦に出るんだ。
手紙と一緒にポストに投函。
明日になったら、きっと届くだろう。
……食べ物は一緒に入れちゃいけなかったっけ?
まあいいや、どうせ学園内なんだし。
ばきばきに割れてたらそれはそれでご愛嬌、私らしいじゃない。
さあ、「誰から」なんて説明文は一切ない、この私の恋心。
返品不可の想いをありったけ食らうといいさ。
それと同時に怯える。どうか、嫌わないで。PR